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北村（プッチョン）の素敵なカフェ

北村と書いてプッチョン。伝統的で美しい韓屋の立ち並ぶ趣のあるエリアです。
高層ビルが建ち並ぶ都会ソウルの一角にある古い街並み。
観光客がたくさん訪れる人気のエリアですが居住区ですので韓屋の見学も静かにマナーを守りながら。
プッチョンまでは滞在先の明洞（ミョンドン）から徒歩で行きました。
新しい街並みは目にも新鮮でどこまでもいつまでも歩けてしまいます。






このプッチョンでひと息つくのに見つけて入ったのが『Bleu Fleur』というカフェ。
青い屋根瓦で有名な大統領官邸のあるエリア、紅葉した丘を見渡せる大きな窓が印象的な小さな小さなカフェです。
クラシック音楽の流れる静かで落ち着いた空気はとても安らかでした。



メニューは置いていないのですが口頭で説明をしてくれるのはこだわりのお茶ばかり。
私は韓国のお寺で僧侶に親しまれているというお茶をいただきました。
なつめの入った伝統茶や京都から取り寄せた上質な抹茶もおいておられます。

オーナーのこだわりはお茶にとどまらずアンティークの器、そして空間の随所にも。
そしてとてもユニークで私が感動したこと。

カフェに入店するといらっしゃいませ、と席にてオーナーの挨拶。

「ここはただお茶を味わうだけでなく、この空間と、この時間、そしてこの窓からの景色を存分にお楽しみ頂くためにかんたんなセレモニーをさせて頂いていますがよかったらご一緒にお付き合いをいただけますか？」

オーナーが取り出したのは小さな器に入っているのお香の粉。
その粉を全員の手のひらに少しだけふりかけ…
手のひらをこすり合わせるとさらさらときめ細かい粉は肌にすーっと馴染み…
目を閉じて深呼吸を繰り返す…
素晴らしい香りをつかったほんのひとときの瞑想です。

ここにたどり着くまでの疲労、異国で新しいものに囲まれた興奮気味の神経がとても穏やかに癒されます。
時空間のアライメントがすっと整う。
このオーナーの素晴らしいホスピタリティとアイデアに感動させてもらいました。

お茶はポットでサービスされます。

済州（チェジュ）で収穫された１５年有機栽培のみかんとともに。
またこのみかんも美味しかったこと。


店先の可愛らしい小さな靴下が目印。
目で景色に感動し、舌で感じるこだわり、鼻で感じる安らぎと思いやり、耳には芸術を。
癒しに溢れた記憶に刻まれる空間。ヨガ的な調和した平和な空間とも感じました。
旅での素敵なご縁、北村（プッチョン）の心に残るちいさなカフェでした。

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