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国際ヨガの日に

６月２１日は国際ヨガの日です。
「ヨガは私たちの古代の伝統からのかけがえのない贈り物だ。心身の統合を具現化する。運動というだけでなく、あなた方自身と世界、自然の調和の感覚を発見させるものだ」
インドのナレンドラ・モディ（Narendra Modi）首相の国連総会での演説の言葉。

最近、ハワイ在住の先生からお便りがありそのメールの中であらためて思い返すことがあった。ハワイでの指導者養成コースのトレーニング中の個人面談で私が先生にお話ししたことのエピソードです。

「このコースはヨガが好きでもっと知識を深めたいという想いから受講したけれど、毎日毎日ここで学ぶ時間が楽しくて仕方がありません。本来勉強することは好きではないけれどヨガのことならもっと本を読みたいと思うし怠けずに練習をしている自分自身が信じられない。だから楽しい毎日をありがとうございます。」と。

先生はこの私の言葉ににこっと笑って「あなたは日本に帰ったらすぐにヨガを教えるべきよ。」と言ってくれました。

コースを修了したばかりで「すぐに教えるべきよ」、なんて想像もしていなかった答えが返ってきていやいやそんなの無理です、と言わんばかりにと私はこう答えました。

「人をまとめることは苦手ですし、そもそも大勢の前に出て話すことが苦手で何かを率先してはじめることは私のキャラクターではない。いつでも自分のペースで目立つことなく楽しむことが好き。しかも自分の責任で運営していく自信がないしできるとも思わない。自分がヨガ教室をはじめるのはちょっと考えられないです。まだまだ浅い知識で自信もありません。でもそう言ってくださってありがとうございます。でも、これだけたくさんのことを教えてもらって自分が楽しんでいることは他の人もきっと同じように思うはずなのはわかっています。なので自分の周りで調子の悪い人や心が疲れている人の助けになりたいとは思っています。この学んだ知識が自分の大切な人の役に立てば、という想いははじめからありますのでそういう意味では教室というかたちではなく教えてみたいなと思っています。」

私がそう言ったことに対して先生はこう言いました。

「あなたは自分の大切な人のことを将来ヨガを通して助けたい、また役に立ちたい、と言っているけれどもうすでにそれははじまっていることに気がついている？直接アーサナを手取り足とり教えてあげるということだけが誰かをヨガで助けるということではないの。あなたが今まさにここでヨガの練習に励んでいること、鍛錬していること、それはあなたが生きているコミュニティ全体に良いエネルギーとして波紋のように広がっているの。あなたが触れ合う人、もの、全てにそれは影響を及ぼしていくんですよ。あなたが今やっていることをそのまま続けてください。特別なことをする必要はないの、ちゃんとあなたの周りには人が集まってきます、助けてくれる人も出てきます。」

この言葉に私はハッとしたこと、衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。
自分の浅はかな考えと愚かさがあらわになり、また先生の深い愛情にその場で涙が溢れそうになりぐっとこらえたことを覚えています。

自分には知識が不十分だからまだ教えることはできない、という一見問題のなさそうな考えがいかに利己的でまた横柄にさえ思えてきました。
もしも、「私には知識が十分身についた、さぁ教えてあげましょう。」というようなインストラクターになっていたとしたら・・・。

ここで私がはっきりと分かったことがひとつあります。
自分のヨガの練習を真面目に歩んでいくということ。ただそれだけ、これが全てなのだということです。先生の言われた通りそれが波紋となり周りが自然と幸せになる。
指導技術云々のレベルではないことにすぐに気づきました。そこからは自分の道の信念が見えました。
ヨガ教室に来てくださる方お一人お一人が自分自身の中に輝く光に気づき帰っていただくこと。そしてその光がまた周りの人を照らしますように。自分の練習と勉強に疑いのない努力を注ぐこと、継続すること。（タパスの実践）私がやることはただそれだけでいいんだ、ということに気がつきました。

自分自身がいつも等身大で背伸びをせずにいること。情報をできるだけ正確に習得する努力をし真面目にお伝えしていくこと。それはこの面談の日から数ヶ月後、はじめてヨガの教室を持った日から今も変わらないことです。

素晴らしい先生に出会えたこと、遠いハワイにいる先生方へヨガの日にあらためて感謝の気持ちを送ります。

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